生活

海外の法律事情

大学で履修している授業の中に、海外の法律についてケースを基に学ぶ授業があるのですが、アウトプットの意味も込めて、面白かったものをお伝えさせていただければと思います。

ホームレスと私

皆さんは国内、もしくは海外でホームレスの方々を見たことがあるでしょうか。

私は以前アメリカのオレゴン州を訪れたことがあるのですが、駅で電車を降りると路上にホームレスの方々の住むテントが広がっていました。

夕方に歩けば、ネズミは走り回り、ガラスの破片が道路に転がっているような、日本とはまったく違う治安状況でした。

ホームレスの方を悪く言うわけではありませんし、経済的につらい状況下であるのには納得できます。

一方で、少し離れた広場のようなところにはシェルターが展開されていました。

シェルターとは、ホームレスの方に一時的に住む場所を提供して、危険から身を守ってもらう建物のことです。

そもそも、道路というのは公共の物、つまりみんなの物であって、誰かが住む場所ではないというのが私の考えでした。

狭くて暗いという話を聞いたことがありますが、どうしても私には路上で生活するよりも、シェルターの中で生活を送るほうが、精神的にも身体的にも安心だと思ってしまいます。

しかしシェルターに入ることを拒む方もいらっしゃるようです。

今回はそんな方のケースについてお話しします。

とある事情でホームレスになってしまった女性

こちらは1985年のお話になります。

1人暮らしで、都会の向上ではたらいて四年目になる女性がいました。

しかし、理由あって彼女の働いていた工場は倒産してしまいます。

生活保護を受け生活しようとするものの、家賃が払えない、友達を頼ろうとしても、薬物中毒者だったなど、様々な問題があり、彼女はホームレスとなってしまいます。

当時、彼女の住む町にはすでに多くのホームレスがおり、町は何とかしようと悩んでいました。

そこで、シェルターを設置して、ホームレスの方々にそちらに移動してもらうように提案したのです。

町からすれば景観がよくなり、治安も少しは落ち着く、ホームレスの方からしても、雨風をしのぐことができる住居が手に入る、Win-Winの関係に見えます。

しかし、彼女はどうやら不満な様子。

実はそのシェルターにはいくつかルールがあり、9時には消灯であるとか、異性を招き入れることが禁止であるとか、彼女が納得できる内容ではなかったようです。

なんならシェルターは不便な場所に位置しており、彼女が一番嫌がった理由が、永続的なものではなく一時的なものだった、という理由でした。

結局そのまま路上で生活をしていた彼女でしたが、なんと彼女は逮捕されてしまい、シェルターに入らなければいけなくなってしまいました。

これに怒った彼女は、路上で生活する権利のために町を訴えました。

さて、どちらが勝ったのでしょう?

勝ったのはどっち?

上記の文をまとめると

路上で生活する権利を訴える女性VS路上に住むことを許さない町

ということになります。

私は、やはり道路というものはみんなのものであるから、だれか一人が独占するのはよくないのではないかな、という風に感じました。

町も、すぐに逮捕したわけではなく何度か勧告を入れていたはずです。

では、結果はどうだったのでしょうか。

ニューヨークの裁判所はこのような決断を下しました。

「アメリカの憲法では、個人の自由を常に尊重しており、その範囲はホームレスの方にももちろん該当する。

ただ単に公共の場にいるだけでは、法律に違反したことにはならない。

よって警察の以前の逮捕は違憲で、彼女の人権を認める。

ただし、彼女が路上飲酒をしたり、道をふさいだりすると法律違反となり、逮捕される場合はある。(アメリカでの路上飲酒は法律違反となる場合があります。)」

結果は女性の勝利でした。

「人権」が法律の中では強く認められているので、それを妨げた不当逮捕は認められなかったようです。

どこで住むか、それは人権で認められている部分なので、町の対応は誤りということになったのでした。

ただし彼女が、法律に触れるようなことをすれば、当然彼女は逮捕されてしまいます。

結局のところ、彼女は肩身の狭い思いをしなければいけないのは変わらないようです…

いかがだったでしょうか。

日本ではあまりホームレスの方を見かけることがないので、そもそもこういったことがニュースになることは少ないかと思います。

経済格差の激しいアメリカならではのケースなのかもしれませんね。

ありがとうございました!

めめめ